減らしたい月経の悩み…フェムテックに期待
すすむ研究や商品開発

フェムテックによる研究や商品開発が進んでいるのが月経に関連するものです。例えば、月経前には体調不良や気分の落ち込みなどが起こりやすくなります。月経の周期が分かると対処しやすいのですが、朝起きて普通に体温を計るだけでは正確に把握しづらいのです。

月経リズムを正確につかむために

そうした時に役立つのが就寝中におへそに貼って温度を記録する装置です。寝ている間に基礎体温を記録することで、月経リズムを正確につかみやすくなります。把握した体のリズムをもとに、出張などの活動的な業務は不調な時期を避け、体調の良い月経後に入れるなどの工夫ができ、本人のつらさが軽減されて仕事が円滑にすすめやすくなります。

スポーツの現場でも活用

スポーツの現場でもフェムテックが活用され始めています。運動前後の血液成分の変化を調べた研究により、月経周期によって体を動かすときのエネルギー源の違いが分かりました。月経前は脂肪が、月経後は糖が主に使われていたのです。月経前は有酸素運動を、月経後は筋トレを行なうのが効果的と分かりました。月経周期に合わせたトレーニングを取り入れることで、選手に負担を掛けづらくする一方で、良い結果を出せるようになったのです。

現代女性の負担は10倍?!

なぜここまで月経が女性に影響するかというと、現代女性の月経回数が昔と比べてかなり増加しているからです。妊娠・授乳中は月経がないため産む子どもが多ければ月経は少なくなります。産む子どもの数が減っている現代女性の生涯月経回数は約450回、実に100年前の9〜10倍という多さなのです。毎月の月経は健康の証しと思われがちですが、痛みや不調などの健康課題もある上、子宮や卵巣にとって大変負担になります。そのせいで、子宮内膜症や不妊症なども増えているのです。

    

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