更年期のフェムテック ーメノポーズテックー

85%以上の人が経験

フェムテックのなかで、更年期に関する「メノポーズテック」にも注目が集まっています。平均閉経年齢は50歳前後で、その前後10年間があてはまります。該当する人は全人口の約15%で、何らかの更年期障害を経験する人はその85%もいるようです。

受診する人はわずか…

にもかかわらず、更年期症状のために医療機関を訪れる人は更年期人口の10%程度にとどまっています。不調となっているのが更年期障害かどうかはっきりせず、わざわざ受診しようという人が少ないのが現実です。市販薬やサプリメント、食生活や運動習慣など対策は色々とありますが、効果の度合いや本人との適性が分かりにくいのが難点です。メノポーズテックは、より分かりやすく効果を上げるものとして注目されています。

商品開発の事例

メノポーズテックとして、エクオールという物質を体内で作れるかを尿で調べるキットがあります。エクオールは女性ホルモンと似た作用をする物質で、更年期症状を緩和する働きが期待されますが、作れる人は2人に1人なので、自身がエクオールを体内で作れるかは更年期障害リスクを計る上で大切な情報なのです。また、更年期の代表的な症状である「ほてり」や「のぼせ」を軽減するフェムテックもあります。腕時計ほどの大きさのブレスレット型デバイスを装着し、体温を常時モニターします。ほてりを検知すると自動的に機器本体が冷たくなって体の熱を冷ます仕組みがあるのです。

フェムテックは始まったばかり

フェムテックは未知数のものが多いのが現実です。しかし、フェムテックは女性と男性がそれぞれの違いを踏まえて、みなが生きやすくなる社会に必要なものでしょう。これまで女性特有の健康課題は個人の問題とされてきましたが、企業や社会全体にとっても、それを放置し続けることは大きな損失なのです。

    

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