ビッグデータ活用で、定説が覆る研究も可能に!
今までの健診は…

これまでの企業の健康診断は、中高年男性に多いメタボリックシンドローム対策などに重点が置かれていました。しかし実は、月経痛などによる仕事の生産性低下は年間4900億円の損失を生み、また、不妊治療や更年期障害を理由とする転職や退職する女性が多い現実もあります。

増えてきた女性のための検査

こうしたことを背景に女性に対する検診内容の追加や検査費用補助に取り組む企業が増えています。例えば、自宅でわずかな血液を採って送ることで、身体が妊娠しやすい状態かの目安がわかるキットがあります。女性の卵子は産まれた時が最多で年齢とともに減ります。卵子の残数の指標となるホルモンがあり、血液検査でそうしたホルモン数値を簡便に調べられるのです。このホルモン値は個人差が大きいため、自身の状態をきちんと知ることでライフプランを具体的に考えやすくなります。

月経周期は年齢によって違う

フェムテックの研究や商品が急速に広がっている背景には、ビッグデータの活用があります。例えば、ある日本の研究グループは長年の定説を覆す成果を発表しました。これまで正常な月経周期は25〜38日とされ、それから外れれば「月経異常」とされてきました。ところが、周期は23才の時に最も長くなり、45才で最も短くなり、年齢によって月経周期がかなり違ってくることが判明しました。つまり月経周期が25〜38日以内でなくても、必ずしも異常とは言えないのです。

31万人ものデータを解析

これは31万人という前例のないビッグデータをもとに解析できたからなのです。これにより「周期が短くなってきた…」と過剰に不安を感じる必要がなくなります。自分自身の月経周期が標準なのか、標準から外れているのかを自分で把握し、病院を受診すべきかどうかの判断をしやすくなるのです。

    

マガジン表紙へ