悪化させると怖い! 「睡眠時無呼吸症候群」
特徴は無呼吸といびき

ある程度の時間を寝ているのに昼間に眠くなってしまう、その原因の1つにあげられるのが睡眠時無呼吸症候群です。睡眠中に10秒以上の無呼吸といびきを繰り返すのが特徴です。呼吸が一時的にでも停止すると血中の酸素が不足して、深い睡眠がとれなくなるからです。

放置すると、日常生活や健康に悪影響

このような状態だと、起きたときに疲れが取れていないことが多くなります。睡眠中に身体をしっかり休ませることができていないのです。こうした状態を放置すると、日常生活に支障をきたすことも起こりえます。慢性的な睡眠不足の状態に陥り、日中に強い眠気を感じて記憶力や集中力が低下します。さらに悪化すると、気分が落ち込んで、うつ状態が現れるケースもあるのです。高血圧や不整脈、動脈硬化を促進するという報告もあり、狭心症、心筋梗塞、脳卒中などの合併症を引き起こすリスクも増加します。

肥満やアルコールが原因の場合

原因としては、脳や神経などの異常で呼吸する筋肉へ指令が行き届かなくなる「中枢型」のケースもありますが、多くは肥満などにより気道の上部が塞がってしまうことが原因となる「閉塞型」です。アルコールも要注意で、寝る前にアルコールを飲んでいると気道の筋力が弛緩しやすく気道が塞がれやすいのです。こうした肥満やアルコールが原因で気道が狭くなっている場合は、食生活や生活習慣を見直して、それを解消することが一番の治療です。

元々の身体や体質が原因のことも

しかし、肥満でなくとも睡眠時無呼吸症候群となっている人もいます。日本人を含めたアジア人は、欧米人に比べて下あごが小さい人が多いため、肥満でなくても睡眠時無呼吸症候群になりやすいのです。その他、子どもに症例の多い扁桃腺肥大の症状があると気道が物理的に狭くなりやすく、高齢によって気道の筋肉が落ちて、気道が狭くなる可能性も指摘されています。

    

マガジン表紙へ