関節がきちんと動くには? ー正しい運動連鎖ー
関節の動きは連動

身体には約260個の関節があり、ふだん無意識で複雑な動きをしています。しかもほとんどの動きは、ある部分が動くとそれに影響を受けて他の部分も動くという形になっています。例えば、立った状態で太ももを内側に回すと、膝も足首も内側に捻れ、土ふまずは下がります。これが典型的な運動連鎖です。

一番大切な抗重力の動き

重力に対して起こる連鎖もあります。椅子に座った姿勢で体を脱力させると、骨盤が後ろに倒れて、腰や背中が曲がります。逆に、頭の頂を天井に向かって引き上げてみると、骨盤が起き上がって、腰に軽いアーチができます。これが抗重力の連鎖です。重力に逆らって伸びようとすると骨盤の筋肉にスイッチが入って頭の先からお尻まで繋がって動くのです。この抗重力の運動連鎖が健康のために一番大切なのです。

頭と腰をまっすぐ

正しい運動連鎖には条件があります。頭が天井に向かって伸びている、骨盤が起きている(=腰椎の前弯)、体が左右前後に傾いていない(正中にある)ことの3点です。これらが整っている時は体のことを考えずに動作をしても、体はしっかりと反応して適切な運動連鎖が起きています。逆に言うと、これらが崩れると適切な運動連鎖は起きないのです。

適切な連鎖が起こらないと…

頭が垂れて骨盤が倒れ、体が左右前後に傾いている姿勢では、適切な連鎖は起こらず、体に偏ったストレスがかかります。こうした状態が続くと、関節や筋肉は疲弊し壊れていきます。生活習慣を背景とした多くの骨や関節の疾患がこうした流れで起こっているのです。多くの方は、膝や腰、肩が痛くなってから病院にいき、はっきりとした原因が分からないまま湿布と飲み薬を処方され続けます。しかし本当の原因は、この運動連鎖の破綻なのです。

    

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