知っておきたい…ファーストエイドとRICE
蘇生ガイドラインにも

蘇生ガイドラインなどに使われるようになり、最近聞かれるようになった言葉が「ファーストエイド」です。これは「急なケガや病気になった人に対しての最初の行動」という意味があります。応急手当と似ていますが、応急手当よりも意味が狭い言葉です。

ファーストエイドで大切 「RICE」

応急手当という言葉には「心肺蘇生などの心停止への対応」と「止血、熱傷など心停止以外の対応」の2つの意味が入っています。ファーストエイドはおおむね心停止以外の対応の意味で使われます。そして、外傷時のファーストエイドで大切なものを一言で言い表したものが「RICE処置」です。整形外科を受診するにしても、ケガした直後にこうした処置をしておくと予後が全然違ってきます。後から腫れや痛みが強くなったり、何日も腫れや痛みが引かないといったことが起こりにくくなるのです。

覚えておきたい「RICE」

Rest(安静)
 損傷部位の腫脹や血管と神経の損傷を防ぐ目的で、患部を安静に保ちます。筋肉や関節の動きを抑えることによって内出血も抑えられます。
Icing(冷却)
 2次性の低酸素障害による細胞壊死と腫脹を抑えるため、患部を氷で冷却します。15〜20分冷却すると患部の感覚が鈍くなりますから外して、また痛みが出てきたら冷却することを24〜72時間繰り返します。
Compression(圧迫)
 患部の内出血や腫脹を抑えるため、腫脹部位を中心に腫れのない部分まで軽い圧迫を加えます。
Elevation(挙上)
 腫脹の軽減と早期消退を図るため、患部を上にあげます。理想的には患部を心臓より高い位置にすることで、内出血の吸収が早くなります。手足の末梢に広がると吸収は遅れてしまうのです。

    

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