パニックに陥りがちな…「熱性けいれん」

熱性けいれん

けいれんとは、筋肉が突然、発作的に収縮することです。けいれんは大人になれば特定の疾病の人以外には起こりにくいものですが、乳児や幼児にはわりと起こりやすい症状です。ただし、そのほとんどは熱性けいれんと言われるもので、38度以上の高熱を出した時や熱の上り際に起こりやすく、普通は1〜3分ほど、長くても10分程度で治まります。

ほとんどは命の危険はなし

それ自体が命に関わる可能性は低いので、落ち着いて対応することが大切です。けいれんが起きても落ち着いて、始まった時間を確かめ、あとで受診する際に伝えると医師の診断がしやすくなります。ちなみに、熱性けいれんの再発率は15%といわれますが、両親に熱性けいれんの既往がある、1歳未満で熱性けいれんを発症、発熱して1時間も経たずにけいれんした、39度以下でのけいれん、これらの1つに当てはまった場合は再発率30%とリスクが上がることも覚えておきましょう。

口にタオルや手を入れない

子どもが急にけいれんを起こすと、親がつい焦って舌をかまないように口にタオルを入れたりしがちです。しかし、そうしたことは呼吸の妨げになる上、けいれんによる嘔吐によって窒息する危険もあるので、絶対にやめましょう。もちろん、口の中に手を入れたりするのも危険です。けいれん後に本人が落ち着いているようであれば、慌てずその日のうちに、もしひきつけを起こしたのが夜間であれば翌日に、かかりつけの病院を受診しましょう。

緊急性があるものも…

ただし、身体の片側だけに強いけいれんがある、熱がないにもかかわらずけいれんを起こした、短い時間のあいだに何度もけいれんを繰り返す、そのような場合は緊急性があります。また、けいれん後に、ボーっとしている、視線が合わないなどの場合も、急いで医療機関を受診しましょう。熱性けいれんだと思っても、髄膜炎(ずいまくえん)などが原因のこともあるからです。

    

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