「めまい」の原因、じつは7割は耳から…
内科では診断つきにくい

何のきっかけもないのに突然目がぐるぐる回ってしまう、これが「めまい」です。全く耳と関係ないようですが、実はめまいの原因の7割は耳からくるものです。また、めまいを感じた人は内科を受診しがちですが、内科では難聴の診断がつきにくいので、耳に違和感がある場合はまず耳鼻科を受診しましょう。

「メニエール病」

めまいを起こす耳の病気としてよく知られているのが「メニエール病」です。めまい患者の5〜10%はメニエール病から起こると考えられています。耳には音を聞くだけでなく、他にも大きな役割があります。耳は外から順に、外耳・中耳・内耳という3つの部分から成り立っています。耳の外から入った音は、外耳、中耳と伝わってきて、最後には内耳の内部にあるリンパ液を振動させることで、脳に音を信号として伝えています。

内耳のリンパ液の役割

音を伝えるときに大事な役目を果たしている内耳の中にあるリンパ液には、もう1つ大きな役割があります。それが体のバランスを取ることです。例えば、走ったときには耳の中のリンパ液の流れが変わります。すると、どの方向にどれくらいの速度で動いているのかが、信号になって脳に伝えられるのです。他に、体の傾きを感知するのも内耳のリンパ液の役目です。

内耳のリンパ液に異常

この内耳のリンパ液に異常が起きるのが「メニエール病」です。そのメカニズムが全て解明されたわけではありませんが、内耳の中のリンパ液が増えすぎることによって、この病気が起こると考えられています。水ぶくれのような状態で内耳が腫れることで感覚異常が起きます。そして、身体のバランス感覚がおかしくなり、めまいを起こすことになるのです。水が溜まる理由がはっきりとは分かっていませんが、ストレスではないかと言われています。

    

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