迅速な受診と治療がカギ! 「突発性難聴」
患者数は増加中

起きる頻度が多く、注意を要するのが突発性難聴です。ある日突然に片方の耳が聞こえなくなるのです。患者数は確実に増えており、30年間で約10倍にもなっています。40代から50代の発症が多く、年間3万人から4万人が発症するので誰にでも起こり得る病気です。

ポイントは有毛細胞

音を聞く時には、中耳にある耳小骨から伝わった振動が内耳の蝸牛(かぎゅう)のリンパ液に伝えられます。それから、有毛細胞という細胞を振動させて、脳へ伝わる電気信号へと変換されます。突発性難聴はこの有毛細胞が障害されることで起こるのです。何らかのウイルスが原因という説と、血流が悪くなって起こるという説があるものの、原因はいまだに不明です。しかし、ストレスや疲労が引き金になることが多いことは確かです。

一度変性してしまうと・・・

音を感じる神経である「有毛細胞」が障害を受けた場合、10日から2週間の間に神経変性が起こってしまいます。そして、神経変性が一度起こると元には戻らず、聴力も戻りません。ですから、突発性難聴は難聴の中でも治りにくく、治療開始までの期間が長いほど聴力が戻りにくいのです。突発性難聴の症状が出た場合には、2日以内に受診するのがベストです。なるべく1週間以内に、遅くとも2週間以内には必ず受診しましょう。早期にきちんとステロイド薬などを投与すれば、1〜2週間で治ることが多いのです。

つい放置しがちが・・・ダメ!

突発性難聴はある日突然に片方の耳が聞こえなくなるので、発症したかについて分かりやすいと言えます。ただし、耳は2つあるので、片方が聞こえなくても日常生活に不便を感じないために、気づかない場合もありえます。また、おかしいと感じながらも、日常生活に深刻な支障をきたさないため、しばらく放置してしまう人も多いようです。

    

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