避けられない脳疲労・・・少しでも減らすには?

デジタル機器の使用で・・・

テレワーク疲労には、身体的な疲労、環境の変化による心的な疲労が起こりえます。さらに、テレワーク勤務をすることによって、どうしても避けることができない、デジタル機器の使用による脳疲労の可能性も考えられます。脳疲労とは脳の処理能力が落ちた状態をさします。

脳の一部分だけ疲れる

脳疲労というと、脳全体を酷使して疲れていると考えがちですが、実はそうではありません。脳の司令塔的存在である前頭前野(ぜんとうぜんや)で情報処理をする場合、脳の役割は3つに分担されます。記憶を一時保管するワーキングメモリを行なう部分、指令本部的な熟考をする部分、ボーッとしている時に働く部分です。デジタル機器による脳疲労は、ワーキングメモリを行なう部分だけが酷使され、その他の部分は使われずにさびついていく状態なのです。

便利なものだけど・・・

パソコンやスマホは私たちに楽をさせてくれます。固有名詞が思い出せなくても検索できる、覚えることも写真を撮れば済む、地図が読めなくてもGPSがあります。しかし裏を返せば、情報を覚えたり思い出したり深く考えたりというような、本来は自分の脳がやるべきことをする機会が奪われているのです。ましてやテレワークでは、メールやオンライン会議が中心で、視覚過多の状態が続きます。視覚以外の五感の力が弱くなる一方で、視覚からのインプットが多くなり、脳の整理が追いつけず脳がゴミ屋敷のようになっていくのです。

デジタルデトックスの意識を

こうした生活を長く続けていると、物忘れや記憶力の低下、思考力や集中力、コミュニケーション力の低下などの症状があらわれます。こうした状況を放っておくと、さらに深刻な症状、例えばうつ病を発症することにもなりかねません。仕事で長時間のPCの使用、プライベートもずっとスマホを使うという人は、意識的にデジタル機器を使わない時間を作る、いわゆるデジタルデトックスをする必要があるでしょう。

    

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