ウイルスの攻撃で嗅細胞が壊れると・・・
コロナによる嗅覚障害

嗅覚障害にはさまざまな症状があります。嗅覚機能が低下して匂いを感じにくくなる症状、本来良いはずの匂いを悪臭に感じてしまう臭覚錯誤の状態になる異臭症、嗅覚が過敏になる嗅覚過敏症などです。コロナで気にされているのは、匂いを感じなくなる症状がでるタイプです。

匂いを感じる仕組み

匂いを感じるのに大切な役割を果たすのが嗅細胞です。匂いをキャッチする嗅細胞は鼻の穴の奥にあります。そこに短い毛を持つ嗅細胞が1千万個も並び、それぞれの匂いに対して反応する嗅細胞の組み合わせで非常に多くの匂いを区別できているのです。嗅細胞でキャッチした情報が脳に送られて、人はやっと匂いを匂いとして感じられるのです。この嗅覚を感じる複雑な仕組みにどこか1か所でも異常があると、匂いを感じにくくなります。

匂いを感じにくくなる症状:3つのタイプ

匂いを感じにくくなるタイプの嗅覚障害は、匂いが伝わる経路のどこに異常があるかによって3つの種類に分かれます。匂い分子が嗅細胞まで届かないタイプ、嗅細胞が弱ったり壊れたりするタイプ、脳の障害によるタイプです。適切な治療のためには、どこで異常が起こっているかの判別が大切です。

ウイルスが嗅細胞を攻撃

コロナウイルスに関係するのは、2つめのタイプです。匂いを感じるための嗅細胞が弱ったり壊れたりする原因はいくつかあり、その1つが風邪や感染症の後にウイルスが嗅覚細胞を攻撃することがあるからなのです。ただし、嗅細胞に影響を与えるのはウイルスだけではなく、加齢や頭部の外傷などが原因の場合もあります。

    

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