標高が高く気圧が低いと、体に良い理由とは?
山間地は運動量が増える

長野県の人たちが長寿である秘密は地形にも隠されています。日本アルプスや八ヶ岳など日本を代表する高山に囲まれており、長野県はとても山間地の多いところです。とうぜん坂や階段の上り下りが多くなり、普通に生活しているだけで運動量が自然と増える生活環境になっているのです。

気圧が低いと・・・

また、山間部に生活区域があることで、標高の高い所つまり酸素が薄く気圧が低いところで暮らしていることになります。そうした状況では体が活性化するのです。それには、私たちの体内にある細胞内のミトコンドリアが関係しています。ミトコンドリアは細胞内にある小器官ですが、酸素を使って炭水化物を分解し、エネルギーを生み出す重要な役割を担っています。

高地トレーニングと同じ

気圧の低いところでは、肺の中の酸素分圧が低くなって血液中の濃度が下がり、全身の細胞への酸素供給量も低下します。するとミトコンドリアは少ない酸素で効率的にエネルギーを生成しようと、自身の活性を上げるのです。陸上選手などが高地トレーニングをするのはこうしたことを目的として。通常は歳を取るほどミトコンドリアの活性は下がりますが、高地に住んでいると日常生活をおくりながらトレーニングをしているのと同じ環境となり、歳を取っても心肺機能が高い状態に保つことも可能なのです。

過酷な環境で栽培すると

こうした環境はそこで育つ植物にも良い影響を及ぼします。過酷な環境で栽培された植物ほど、ポリフェノールやカロテンなど抗酸化作用や免疫力を高める栄養素を多く含んでいます。同じ種類の野菜であっても、厳しい環境で育ったものの方が栄養価が高いのです。

    

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