採れない昆布をたくさん食べるのは、なぜ?
採れないのに消費量は多い

沖縄県は1983年までは昆布の消費量が日本一で、現在も上位にランキングしています。だしで使うだけでなく、メンマや切り干し大根と合わせて、細切りにした昆布を直接食べることも多いのです。沖縄で昆布は採れないのに、消費量が多いのはなぜなのでしょうか。

中国への輸出品

これにも琉球の歴史が影響しています。1609年に琉球王国は薩摩藩から占領されますが、その時点ですでに中国と貿易関係があり、双方の特産品をつなぐ役割を担ったのです。当時中国では昆布が薬として重宝されました。内陸部で海藻類が手に入りにくく、ヨウ素不足による甲状腺機能障害が多かったのです。そのためヨウ素が豊富な昆布の需要が高かったのです。

昆布ロードとは

北海道で採れた昆布が、富山の薬売り、大阪商人を通じて薩摩に運ばれ、それから琉球に、そこから中国に貿易されます。北海道―北陸―大阪―薩摩―琉球―中国のラインは「コンブ・ロード」と呼ばれるほどになり、昆布は最も多い輸出品へと成長しました。そのあまった分を琉球の人たちが食べる習慣ができるようになり、琉球の人たちがよく昆布を食べるようになりました。じつは彼らに広まった原因の1つは、先ほどでてきた豚肉なのです。

豚肉と合わせると美味しい

昆布自体はおいしいものではないですが、豚肉のうま味と脂を加えると、昆布もおいしく感じられ、昆布の千切りに豚肉のだし汁を加えた代表的な煮物料理もあります。さらに、昆布には脂肪を燃焼させる効果があります。豚肉は脂肪が多いのが欠点なので、昆布と合わせることで豚肉の余分な脂肪を燃焼させることができ、昆布にも豚肉にも双方によい効果があるのです。

    

マガジン表紙へ