栄養満点の豚肉が、良く食べられる理由とは?

珍しい部位まで食べる豚肉

沖縄でよく食べられているお肉といえば豚肉で、「ひづめと鳴き声以外は全部食べる」と言われるほどです。耳をゆでて千切りにしたミミガー料理、豚足を輪切りにしたテビチ料理など、あまりなじみのない部位を使った料理がいろいろとあります。これには琉球王国の歴史が関係しています。

琉球王国とブタの歴史

15世紀に誕生した琉球王国は、明に貢ぎ物を献上する間柄でした。そのため明の皇帝の使節団がたびたびやってきて、500人以上が半年以上も滞在します。随行してきた料理人が中華料理を作るので、豚肉が大量に必要になったのです。そこで、琉球王国は各地でブタの飼育を義務づけて食用ブタを増やしました。しかし高級食材なので、庶民は年に数回近隣の人たちが集まってブタ1頭を食べるのがせいいっぱいでした。残すのはもったいないので、あらゆる部位を食べる沖縄料理が誕生したのです。

ブタの臭みをとる・・・硬水

ポイントになるので沖縄の水で、じつは豚肉をおいしくするのが硬水なのです。豚肉は下ゆでをしてから調理しますが、下ゆでに硬水を使うと臭みを抑えて豚肉が美味しくなるのです。カルシウムやマグネシウムは肉の臭い成分と結合しやすく、それらをアクとして取り除くことで肉の臭みがとれます。

ビタミンB1に注目

豚肉は健康長寿と関係があるとして注目されている食材です。健康長寿の地域を調査すると、豚肉の摂取量が多いのです。重要な栄養素が、鶏肉や牛肉に比べて豚肉に5倍以上含まれているビタミンB1です。ビタミンB1は糖質をエネルギーに代える効能があり、特にブトウ糖を唯一のエネルギーとする脳にとって不可欠です。認知機能低下の原因の1つはビタミンB1の不足といわれているのです。

    

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