かつて踊り奉行がいたほど!「琉球舞踊」

かつては「踊り奉行」がいたほど

琉球文化に欠かせない存在といえば踊りです。今は沖縄の踊りといえばエイサーが有名ですが、琉球王国が国家を挙げて取り組んでいたものは「琉球舞踊」です。琉球王国は踊りを重視していて、おどり奉行がいるほどだったのです。その踊りはゆっくりですが、手の動きと足の動きがあり、音楽に合わせて動く必要があります。

認知症のリスクを下げる

この「ゆっくり」と、「手足を動かし音楽に合わせる」という点がポイントです。手足の動きを音楽に合わせるので、身体が一度にたくさんのことを処理する必要があります。これが脳神経系の活動を活性化させることになり、認知症予防に効果的なのです。これを裏付けるアメリカの大規模研究があります。人々のさまざまな習慣や行動が認知機能に及ぼす影響を5年間追跡調査したところ、運動の中で認知症のリスクを下げるものは踊りだけだったのです。

ゆっくりだが、けっこうキツい!

琉球舞踊の動きは身体重心を低くする、いわゆる中腰の姿勢でずっと動き続けるのが特徴で、ゆっくりですが実はきつい動きです。このゆっくりした動きが足腰だけでなく骨盤周りを安定させ、股関節や体幹周りも鍛えられるのです。これにより転倒のリスクを下げることができます。高齢者が転倒してケガをすると、そこから寝たきりになる危険性が高いのです。転倒するリスクを減らすことで、高齢者の健康年齢を延ばすことができます。

かつての琉球の習慣を見直そう

現在、沖縄県ではかつての琉球王国の食習慣や踊りの習慣を見直して、長寿を取り戻そうとする動きがすすんでいます。豚肉と昆布を使った伝統的な料理を県民に推奨し、伝統的なゆったりした踊りを高齢者向けのフィットネスとして、高齢者の健康的な生活を促す動きが広がっているのです。

    

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