免疫が強ければ良い・・・とは限らない!

免疫とは

病原体が体内に侵入したとき、体はこれを「自己」とは違うもの、つまり「非自己」と認識し、排除したり拒絶したりしようとします。これが、免役の基本的な仕組みです。つまり、免疫とは「特定の異物に対する防御反応が強くなること」を意味するのです。

ワクチンとは

同じ異物がくりかえし体内に入ると、その抗原に対する防御反応が強くなる性質を私たちは持っています。こうした免疫を利用した医療の代表が「ワクチン」です。ワクチンはわざと異物を注射することによって、その異物に対する防御反応を強くしておく、免疫を利用した予防法です。ワクチンは、細菌やウイルスの病原性をほとんど無くしたうえで、私たちの体内で免疫反応が生じるように作られているのです。

「免疫が強い」=「病気にならない」・・・ではない

しかし、免疫反応は強い方が良いかというと、必ずしもそうではありません。すべての病気について「免疫を高める」ことが「病気にならない」ことにつながると勘違いしている人もいますが、異常に強い免疫反応によって生じる病気が数え切れないほどあるのです。異物の中には、身体に大して悪さをしないものや、放っておいても良いものがいくらでもあるのです。

花粉症は、その代表例

例えば、花粉やホコリなどです。これらの異物に対しては、たとえ体内に入っても免疫の仕組みが働かない方が良いのです。ところが、こうした異物に対して異常に強い免疫反応を起こしてしまう人がいます。この異常に強い免疫反応がアレルギーなのです。ですから、何でもかんでも免疫が強い方がいいというわけではなく、それぞれの異物に対してちょうどいい免疫反応が備わっていることが健康な状態といえます。

    

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