中国の天候、砂漠の範囲、偏西風の強さなどに左右され、偏西風の強い３月から５月にかけて日本各地で観察されます。黄砂自体はタンパク質でも金属でもないので、アレルギーを起こすことはありません。しかし、黄砂は大気中に含まれる物質を吸着する性質があるため、発生する場所や通過する場所によって、カビや微生物、さまざまな汚染物質を取り込んでしまうのです。

そのため、黄砂の粒子が人の気道を刺激すると、咳が出たり、花粉症や喘息などを悪化させたりする恐れがあるのです。スギ花粉の大きさが２０μｍであるのに対し、黄砂の大きさは４μｍ（１ｍｍの２５０分の１）と小さいので、花粉症用のマスクでは黄砂の粒子は通り抜けてしまいます。花粉用のマスクでは効果がない場合があるので注意しましょう。

さらにＰＭ２．５も気になります。ＰＭ２．５とは「２．５μｍ以下の粒子状物質」ことを表します。単一の化学物質ではなくて、さまざまな化学物質が混合したものなのです。ＰＭ２．５は粒子が小さいので、気道の奥の肺胞にまで達して付着する可能性があり、ぜんそくや気管支炎などを引き起こす恐れが指摘されています。最近は天気予報などで、黄砂やＰＭ２．５についての予報もありますので、特に春先にはチェックしておきましょう。

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