「飲む点滴」 ― 甘酒は夏の疲れをとるのに最適
甘酒は夏の季語

甘酒はひな祭りに子どもが飲むというイメージですが、じつは俳句では夏の季語に分類されます。その理由は江戸時代にさかのぼります。江戸時代の生活様式を描いた書物には「甘酒売り」について、「江戸京阪では夏になると街に甘酒売りが多く出てきて甘酒を売っている」という記述があります。

江戸の夏に欠かせない

江戸時代は夏の死亡率が一番高く、病人、老人、子どもをはじめ、大人でも仕事などで無理が続くと暑さで体力が一気に低下し、亡くなる人が多かったようです。そんな時に栄養たっぷりの甘酒は体力回復に効き目があり、冬の飲み物としてだけでなく、夏の必需品として人気が高まり、夏の風物詩として季語にまでなったのです。

何がいいの?

甘酒に含まれるブトウ糖は、麹菌によってすでに分解済みとなっているため、効率よく体内にエネルギー源として吸収できます。その他にも、アミノ酸、ビタミンB群、ミネラルなどが豊富に含まれ、ほぼ点滴と同じなので、甘酒は「飲む点滴」と呼ばれるほどなのです。また、食物繊維やオリゴ糖も豊富に含まれ、腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整え、便秘の予防や解消に一役買っています。さらに、ビタミンB群が豊富に含まれているので、血行が促進されたり、肌の機能を活性化させたりする効果が期待されます。

タイプが2つあることに注意

甘酒には2つのタイプがあり、1つは酒粕を水で溶いて砂糖で甘みを加えたもので、酒粕にアルコール分が含まれるのでアルコールが苦手な人は要注意です。そして、もう1つが米麹甘酒タイプで、麹の発酵作用を利用して米から作ります。健康や美容に良いとされるのは、こちらの米麹甘酒です。

    

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