大切なのは量だけでなく・・・筋肉は質も大切

見た目は変わらなくても

筋肉は量だけが大切なのではありません。加齢や運動不足による足腰の衰えは、筋肉量が減るのが原因と考えられてきました。しかし最近は、見た目に筋肉量はさほど減っていないのに、運動機能の低下を訴える人が増えています。筋肉は量だけでなく、質も重要だと考えられるようになっています。

筋肉の質を調べるには

筋肉の質が低下していないかは手軽に調べられます。まずは高さが40センチほどの椅子か箱のようなものを用意します。それに浅く腰を掛けて腕を胸の前で組み、片足を少し上げて反動をつけずに1本の足だけで立ち上がれるかを試しましょう。左右ともできれば「健常」と判定されます。左右いずれかができなければ、筋肉の質の低下が始まっている状態と考えられます。

筋繊維は2種類

筋肉の質低下には2段階あります。筋繊維には姿勢を保つなど持久力を発揮するときに使われる赤筋と、立ち上がったり階段を上がったり瞬発力が必要なときに使われる白筋の2種類があります。普段から階段の上り下りなどをしないでいると、まず白筋が細くなり、筋繊維のバランスが崩れて、さらなる筋力の衰えにつながります。そして、筋繊維の衰えが赤筋などの筋肉全体におよぶと、筋肉の質はますます低下するのです。

筋繊維が細くなると・・・

筋繊維が細くなったり失われたりすると、筋繊維の束にすき間ができて、そこに水分や脂肪などが詰まります。筋肉の太さは一見変わりませんが、押してみると以前より筋肉の張りがなくなっています。予防のために、週に1回運動したり、できるだけ階段を使ったりしましょう。オススメの運動は前ページで紹介したスクワットです。ただし、高齢者は転倒しないよう椅子の背につかまって屈伸する「椅子スクワット」が良いでしょう。

    

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