始まりは弥生時代 ー結核との長い闘いー

結核は弥生時代から

日本の最古の結核症例は弥生時代と言われています。結核の起源はおよそ7万年前のアフリカ大陸ですが、それが中国と朝鮮半島を経て、弥生時代に日本にもたらされました。中国の春秋戦国時代の戦乱を避けて、多くの人が朝鮮半島を経て日本にやってきた際に結核菌がもたらされました。

骨に残る脊椎カリエス

結核は、空気感染した結核菌が血流にのって運ばれて様々な臓器を冒し、肺の臓器などが破壊されて呼吸困難に至るという病です。そして、結核菌が背骨に病巣をつくると脊柱が曲がる脊椎カリエスという状態を引き起こします。弥生時代の遺跡から、この脊椎カリエスが進行してひどく曲がった状態の脊柱が発見されたことで、弥生時代に人々が結核に苦しんでいたことが分かったのです。

イノシシとブタの家畜化

結核に対抗するため、弥生時代の人々はどのように免疫力を上げたのか・・・その答が肉食です。遺跡から発見された動物の骨から、弥生人たちが中国から伝わったブタと日本にいた野生イノシシを混合した弥生ブタを飼育していたことが分かります。豚を家畜化して、豚肉に含まれるタンパク質やビタミンB1を安定して取れるようにして免疫力を向上させたのです。

現代のダイエットによるタンパク質不足

明治から昭和初期にかけて大流行したイメージから、結核は昔の病気と思われがちですが、今も毎年18000人ほどが結核を発症しています。感染しても通常は免疫力によって発病を抑えられるのですが、最近は体力の弱った高齢者のみならず、過剰なダイエットによるタンパク質不足などで免疫力が下がった若い女性の間でも結核の発症が増えています。免疫力を上げるためにも、豚肉をしっかり食べましょう。

    

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