呪術師も利用した・・・桃のスゴい効きめ

遺跡から大量の桃の種

卑弥呼に代表されるように、弥生時代には呪術者が民を治めていたケースも多くありました。そうした呪術に使用したものとして、弥生時代の遺跡から大量に発掘されているものがあります。それが桃の種なのです。桃は弥生時代に稲作と一緒に大陸からもたらされ、古くから呪術的な意味合いをもち、古事記に「桃3個を鬼に投げつけて撃退した」という記述があるほど神聖なものとされていました。

特有の香り:ピーチアルデヒド

桃の力は単に伝説や物語だけでなく、現代科学の観点からも頷けるものなのです。桃には特有の香りをさせるピーチアルデヒドという成分があり、リラックス作用があることが分かっています。呪術師が行なう儀式では、桃の甘い香りが果たした役割も大きかったと考えられています。桃の臭いを嗅ぐことで、人々は気持ちを落ち着かせ、穏やかに暮らせたのです。

漢方の生薬:桃仁

ちなみに現代でも、桃の種の核を取り出して日干ししたものを「桃仁(トウニン)」として漢方の生薬に使用しています。血の巡りを良くする生薬として知られ、女性ホルモンの乱れを正常にしたり、月経不順や便秘を解消したりする効能も期待されている生薬です。

さまざまな健康効果

匂いや種以外の部分、つまり実として食べられている部分にも、さまざまな健康効果があります。桃に含まれるペクチンという栄養素は食物繊維の一種で、腸内の乳酸菌を増やして腸の調子を整える働きがあります。そして、桃にはカリウムも多く含まれ、むくみの解消などの効能が期待出来ます。さらに鉄分やマグネシウムも多く含まれ、貧血の予防や冷え性の改善に役立ちます。桃には女性に嬉しい効能がたくさん入っているのです。

    

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