ブランド名が同じでも中身が違う?! 「鎮痛薬」
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頭痛、生理痛、歯痛など身体の様々な痛みを抑えるため、市販の痛み止めの薬を使う人は多いでしょう。しかし、安易に飲み過ぎると、重大な病気を見逃しかねない上、副作用が出たり、依存性が生じたりする危険があります。市販薬は適切に使うことが大切です。
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適切に使うためには、成分と特徴を知っておくことが必要です。例えば、解熱鎮痛剤として最も一般的なのは、非ステロイド性抗炎症薬という種類です。英語の頭文字をとってエヌセイズ(NSAIDs)と呼ばれます。この種類の薬は、痛みのもとのプロスタグランジンという物質が作られるのを防ぎ、痛みや炎症を抑えます。ところが、プロスタグランジンには胃粘膜を守る働きもあるため、この物質を抑えると副作用として胃が荒れやすくなるのです。
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同じエヌセイズに分類される薬でも、中に入っている成分はイブプロフェン、ロキソプロフェンナトリウム水和物、アスピリンなど色々と違います。もちろん、その効用や副作用などは少しずつ違うのです。特に注意したいのが、同じブランド名でも違う成分が含まれている場合です。例えばブランド名「バファリン」では、「バファリンA」はアスピリン、「バファリンEX」はロキソプロフェンナトリウム水和物、「バファリンプレミアム」は「イブプロフェン」と異なっています。いつも飲んでいて自分に合っている薬は、商品名を正確に覚えておく必要があるのです。
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エヌセイズの副作用は胃腸障害以外にもあります。例えば喘息(ぜんそく)です。薬の使用後1時間以内に、鼻水・鼻づまり、息苦しさ、咳などの症状が出た場合に喘息が疑われ、「アスピリンぜんそく」と呼ばれています。アスピリンに限らずエヌセイズ全般が原因となり、珍しい症状かと思いきや、このタイプの喘息は成人ぜんそくの1割にのぼると言われています。
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