量の違いで逆の作用に注意 〜炭酸水〜


女性がダイエットに利用

以前はコーラなどのイメージが強かったためか、身体に悪いとされることが多かったのですが、最近では女性を中心に健康、特にダイエットを意識して、積極的に炭酸水を飲む人が増えています。しかし、その特性をきちんと理解していないと、かえって逆効果になる場合もあるので注意が必要です。

量が少ないと食欲が増進

一度に500ml以上飲むと、炭酸ガスでお腹が膨れて胃の動きが弱まり、食欲を減退させます。この特徴をダイエットに活かしたい女性が増えているのです。しかし炭酸水は飲む量を変えると、逆に食欲を増進させます。炭酸水には胃のぜんどう運動が活発にさせる働きもあるからです。炭酸が胃の粘膜を刺激して血管を拡張させるために血流が良くなり、胃がさかんに動き出すのです。1回につき200ml以下では食欲増進作用の方が強くなります。炭酸水を利用する際は、その量と効能の関係をしっかり把握しましょう。

医療でも利用

炭酸水の持つ効果は医療面でも研究がすすめられ、特に注目されているのが血管拡張の効果です。炭酸水に触れると、炭酸水に含まれる二酸化炭素が皮膚からどんどん吸収され、血管を通じて細胞に送られます。血管や細胞に二酸化炭素が増えると、身体が酸素をもっと必要だと判断します。すると、老廃物である二酸化炭素を流すために、すばやく多くの酸素が送られるように、身体が血管を広げる指令を出すのです。日本では20年ほど前から、高濃度の炭酸水を人工的に作る特殊技術が開発されて、医療分野の研究が急速に進みました。

ヨーロッパでは温泉

日本では全体の0.6%なのであまり知られていませんが、炭酸は温泉としても利用されています。ヨーロッパでは天然の炭酸泉が多く湧き出し、昔から炭酸温泉が親しまれ、その歴史は古代ローマ時代までさかのぼります。「飲むと健康になる」「浸かると疲れがとれる」と言われて、療養目的で利用されてきました。

    

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