大変な時の健康維持には必須 「口腔ケア」


ケアを怠ると肺炎の危険

大したことはないものと考えられて、震災時に二の次になりがちなのが口腔ケアです。しかし、口腔ケアを怠ると肺炎を引き起こす場合もあります。65歳以上の震災関連死(直接死ではない、震災後の死亡のこと)のトップが肺炎です。口腔ケアを怠ることは、命に関わる大変なことなのです。

口の中が不潔だと…

震災後には、避難所ではすぐ食べやすいお握りやパン、自宅でもカップラーメンなどの保存食の食事になりがちです。栄養も偏りやすく、精神的なストレスなども重なり、抵抗力が落ちています。そうした状態で口の中を不潔にしていると、細菌が増えて虫歯や歯周病などが生じやすくなり、感染症にも罹りやすくなります。特に高齢者は免疫力が落ちた時に、口腔や咽頭部の菌を気管や肺へ誤飲して肺炎を起こしやすくなるのです。

口腔ケア環境が悪い時には

十分な口腔ケア環境がない所でも、次のようなことを覚えておくと役立ちます。
【少量の水かお茶で2回に分けて口をすすぐ】
歯磨きは出来なくても、水やお茶でぶくぶくと口を洗いましょう。口いっぱいに水を含んで1回洗うよりも、少量でも2回に分けて洗う方が効果的です。
【ガーゼやティッシュで口内を拭く】
歯ブラシや水がない場合は、清潔なガーゼやティッシュで歯や歯肉を拭き、食べカスを残さないようにしましょう。

噛むことはとても大切

噛むことがとても大切である事を覚えておきましょう。噛むことで食物が細かく砕かれるので、よく噛めば噛むほど消化が良くなります。さらに噛むことによって唾液がたくさん出ると、虫歯菌が作る酸を薄める働きがあります。ですから、よく噛むことによって虫歯の予防もできるし、歯周病や口臭の予防にも役立ちます。水がない状況では、キシリトール配合のシュガーレスガムを噛むことが有効です。

    

マガジン表紙へ