ストレスが原因の場合も… 「味覚障害」


味を感じる仕組み

このところ味覚障害になる人が増えています。人が味覚を感じるにはいくつかの体の器官を通る必要があります。まず食べ物が口に入ると、舌の表面などにある味蕾(みらい)という器官で甘味・塩味・酸味・苦味・うま味を感じます。その情報は顔面神経を通じて、脳の味覚中枢へと伝わるのです。

原因は?

味覚障害の原因として多いのが亜鉛不足です。亜鉛が不足すると、舌の表面にある味蕾がうまく働かなくなるのです。加工品により亜鉛の吸収が妨げられることもあり、亜鉛は日本人に不足しやすいミネラルなので注意しましょう。他にも唾液の分泌量が減ると、味覚障害になりやすくなります。唾液量が少ないと、食物の味成分が味蕾まで届かないことがあるからです。加齢にともない味蕾の働きと唾液の分泌量が減るので、高齢者に味覚障害が出やすいのです。

実はストレスでも

さらに、神経のトラブルが原因になっている場合もあります。口の奥には顔面神経が集中しており、親知らずの抜歯時や扁桃腺の手術などで味覚に関する神経を傷つけることがあるのです。さらに難しいのは、中枢神経が原因の味覚異常です。最近ではストレスによる味覚障害が増えています。舌に問題がなくても、味を感じられないことがあるのです。

まずは専門医で検査を

味覚障害を疑った場合には、まずは専門科を受診して原因を探りましょう。様々な濃度の味をしみ込ませた小さなろ紙を舌に乗せて、舌のどの部位がどれくらい味覚を感じるかを調べる「ろ紙ディスク法」などがあります。味蕾のトラブルであれば、ろ紙検査で味覚異常が確認できます。一方、ストレスによる味覚異常では、ろ紙ディスクでは味覚を感じているのに、本人は普段の食事で味が分からないのです。その場合は、心療内科によるアプローチなども必要になります。

    

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