骨密度が高くても、骨粗しょう症になる!?

高齢者の国民病

骨粗しょう症とは、骨の強度が低下して、ちょっとした転倒などで骨折しやすくなる病気です。太ももの大腿骨が折れると歩くのが難しくなったり、気づかないうちに背骨を圧迫骨折して起き上がることさえ大変になったりします。現在では骨粗しょう症と推定される人は約1300万人もいて、高齢者においては国民病と言っても過言ではありません。

骨は量の他に、質も大切

骨粗しょう症は、通常は骨密度(骨量)が低くなり、骨がスカスカになる状態だと思われています。ところが、骨密度が高いのに骨折しやすい人がいるのです。実は、骨密度(骨量)に加えて、骨の質も大切なことが分かってきました。高齢女性がなりやすいのですが男性にも増えてきていて、全患者の約4分の1が男性です。男性は女性に比べて、骨の質が問題になることが多いと言われています。

量と質:カルシウムとコラーゲン

骨の強さを決める要素は骨の量、そして骨の質です。骨の仕組みを鉄筋コンクリートの建物に例えると、骨量がコンクリートで骨質は鉄筋のようなものです。骨量は主にカルシウムの量で決まります。一方、骨の質はタンパク質の一種のコラーゲンの質です。コラーゲンは柔軟性がありますが、体内の酸化や糖化によって劣化すると硬くなり、もろくなります。睡眠不足や暴飲暴食など悪い生活習慣が続くと、コラーゲンがべたついてしなやかな構造が壊れるのです。

骨の質を上げるには?

骨のコラーゲンが劣化するのを防ぐには、ビタミンB6やビタミンB12、葉酸を積極的に摂るようにしましょう。また、運動も骨の質を良くするためには欠かせません。運動による振動が骨細胞を刺激して骨が作られるように促して、その過程で良質のコラーゲンも作られます。ウォーキング、ヨガ、太極拳など、骨に負荷がかかるけれども腰やヒザを傷めにくい運動がおススメです。

    

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