暖かくなったら…マダニに注意が必要


マダニによる死亡例

ここ数年で定期的にマダニによる被害が報告されるようになり、数十人の規模ですが死亡例も出ています。今年も4月の段階で、すでにマダニによる死亡例が報じられています。「ダニで人が死ぬ!?」…と、家にいるダニに対して急に恐怖を感じる人がいるかもしれません。

家ダニとマダニの違い

もちろん、そこまで心配する必要はありません。ダニには大きく分けて2つのタイプがあるのです。家にいるダニはコダニ類という種類で、こちらはアレルギーの原因にはなりますが、死に至るほどの危険なものではありません。
もう一方がマダニ類で、こちらのダニが刺されると命も危ぶまれる危険なダニなのです。マダニの大きさは数ミリくらいあり、大きいものでは30ミリにもなり、家ダニに比べて10倍以上もあり肉眼でも確認できるほどです。

ウイルス感染の仕組みと症状

マダニの体内にあるウイルスは、元々シカやイノシシなどの野生動物のいる森林や野山に潜んでいます。マダニは動物に次々に寄生して吸血して、成長や産卵をしていきます。野生動物はウイルスに襲われてもほとんど症状が出ませんが人間は違います。咬まれてから1〜2週間程度の潜伏期間を経て、38度以上の発熱、下痢などの消化器異常が現れます。血を止めるために必要な血小板が減少するので、出血しやすくなり、血尿がでる場合もあります。重症化すると意識障害や呼吸不全などの症状をともない、死に至る危険があるのです。

暖かくなる時期から注意が必要

マダニは気温が上昇し始めると森林や野山で活動を始めます。そして人間も暖かくなると、ゴルフや登山、野山へハイキングなどに出かけます。ですから暖かくなるこの時期から特に注意が必要です。マダニによる感染症は新しい病気で、今のところ特効薬もワクチンも無く、症状に応じた対処療法しかありません。

    

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