鼻の不調と思いきや・・・「実は虫歯!?」


春先は、花粉症と考えがち

2月のスギ花粉の季節になって鼻の調子が悪いと、「これは花粉が原因かな?」と考える人が多いでしょう。しかし、花粉症と似た症状が出ているにも関わらず、鼻とまったく関係がない疾患の場合もあります。しかも、実は虫歯が原因で、内科ではなく歯科に行かないと分からない場合もあるほどです。

歯の根の奥は、鼻とつながっている

虫歯が進行すると、歯の内部に細菌が入り込んでいきます。この細菌が歯の根に入り込み、さらに根の奥の部分にまで侵入すると、ついには歯の根の先から外に出てしまいます。上の奥歯の部分には上顎洞と呼ばれる、鼻にもつながる骨の空洞が、歯の少し上にあります。この空洞は年齢とともに大きくなります。虫歯の細菌が上顎洞に入って炎症が広がると、この空洞は鼻にも繋がっているので、炎症が鼻にも影響して鼻の不調の症状が出るのです。

なかなか気づきにくい

虫歯なので、奥歯でものを噛むと痛い、歯肉が腫れるといった歯に症状が出る場合ももちろんあります。しかし、膿のような鼻水が出たり、鼻詰まりが起こったりといった鼻の不調症状だけの場合もあります。こうした場合は、鼻の症状への対処療法だけを気にしがちですが、それではいつまでも症状が治まりません。耳鼻科と歯科で大きく診療科も異なり、鼻の不調からでは歯が原因とはなかなか気づきにくいので、普段から歯科検診などを受けて、虫歯を悪化させないことが大切です。

その他、気管支炎や肺炎などの場合も

鼻水がたくさん出るとノドの方にもそれが流れて、喉がイガイガして、咳や痰がでる場合もあります。また、鼻詰まりから、頭痛を起こしたり身体のだるさを感じたり、身体に様々な不調を感じます。鼻の不調症状から鼻が原因と思いがちですが、実は気管支炎を引き起こしていたり、肺炎や結核などの重病を引き起こしている場合もあります。春先は体調が悪いと全て花粉症のせいにしがちですが、重大な病気が隠れている場合もあるので注意しましょう。

    

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