かんでもかんでも出てくる…鼻水のナゾ

鼻の穴は小さいのに…

風邪をひいたり花粉症になったりすると、鼻水が止まらなくなります。何度も何度も鼻をかんでもスッキリせずに、困ってしまうことも多いでしょう。鼻の入り口は指が1本やっと入るくらいの大きさに過ぎません。それなのに、鼻水はどうしてキリなく出てくるのはなぜでしょう?

一つめは目から

鼻水がつくられる器官は3つあります。まず一つめは目から、つまり涙なのです。目の表面が乾かないように瞬きするたびに、涙腺から少量の涙が鼻腔に流れて、鼻腔の内側を乾燥から守っています。もちろん、通常では涙から鼻水になるほどの量は出ません。鼻がすするほどの量になるのは、感激した時など涙腺からの涙が極端に増加した時に起こります。

二つめは鼻腔から

鼻の穴の奥に広がる鼻腔からも鼻水がつくられます。鼻腔の奥は上顎から目の下の空間へと広がっていて、横から見ると結構広い空間です。この空間では粘膜から分泌物が作られ、鼻水の成分を作っています。この分泌物は呼気に湿気を与えて鼻腔から咽頭、喉頭、気管の乾燥を防止するのに役立っています。通常は内部に収まる量ですが、体調に異常があり分泌物が増加すると、鼻の穴からあふれて鼻水になります。

やっかいなのは副鼻腔からの鼻水

さらに鼻腔を取り囲んでいるのが副鼻腔で、ここでも鼻水がつくられます。鼻は外から見るとシンプルな造りですが、内部はかなり複雑な構造をしています。副鼻腔は鼻腔と繋がっていて、副鼻腔の分泌物も鼻水の元になります。この副鼻腔からあふれてくる鼻水は、副鼻腔の形が複雑なうえに空間も大きいので、ここから出続ける分泌物はなかなかすっきりと止まらないのです。ちなみにこの副鼻腔は、生まれた時には未完成でエックス線写真ではっきり写りませんが、成長とともに確認できるようになります。

    

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