二日酔い…その仕組みと日本人の特性


二日酔いはなぜ起こる?

『アルコール → アセトアルデヒド → 酢酸 → 二酸化炭素と水』という順序で、肝臓ではアルコールが分解されていきます。二酸化炭素と水に分解された後は息や尿となって体外へ排出されます。問題はアルコールから分解された形の「アセトアルデヒド」で、これが血液中に増えると悪酔い状態になるのです。

アルコール分解は時間がかかる

肝臓のアルコール分解能力は、平均で1時間に約6〜8gで、ビールでコップ1杯くらいです。一晩に処理できる量は、ビールなら大瓶2本、日本酒なら2合程度なのです。その量を超えたら次の日を休肝日にするなど、肝臓に対処する配慮が必要です。ちなみに、翌日でも分解しきれないアルコールが呼気中に出てくる状態で車を運転すると酒気帯び運転になります。

分解能力は人によって違う

アセトアルデヒド(アルコールから分解された第一段階)を分解していく能力には、人によって大きな違いがあります。この違いにより「アルコールに強い人」「アルコールに弱い人」「アルコールに全く弱い人」に分かれるのです。特に人種的に大きな違いがあり、アセドアルデヒドを分解する酵素がしっかり正常に働く「アルコールに強い」タイプは、白人と黒人では100%であるのに対し、日本人(モンゴロイド)は56%しかいないのです。

日本人はアルコールに弱い人が多い

体質的に日本人は「アルコールに強くない人」が44%もいるのです。44%中の4%は、アセドアルデヒドを分解する酵素がほとんど働かない「アルコールに全く弱い」タイプ、つまりアルコールを飲むとすぐに気持ち悪くなどなってしまう人で、残りの40%は、アセトアルデヒドを「分解する酵素が16分の1しか働かない「アルコールに強くない」タイプと言えます。こうしたお酒の強さに関しては、実は日本国内でも地方によって違いがあります。「アセトアルデヒド不活性型」いわゆる「アルコールが強くない人」は、中部・近畿地方で高い割合になっています。

    

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