よく飲むけど良く分かっていない…抗生物質


何に対抗するの?

「何かに“対抗する”ための薬だろう」と分かりますが・・・何に対して対抗しているのでしょうか?抗生物質を理解する上でキーとなる言葉が、「細菌」「真菌(カビ)」「ウイルス」です。何を殺せるかによって、抗生物質は3つに分けられます。

≪抗菌薬≫
細菌による感染症に対抗するものが抗菌薬です。細菌の一番外側にある細胞壁を壊したり、細胞の生存に必要なタンパク質を作らせないようにしたりすることで、細菌に対抗する薬です。代表的な薬は、肺炎や中耳炎に効くペニシリンです。
≪抗真菌薬≫
真菌(カビ)による感染症に対抗するものが抗真菌薬です。カンジタ菌や白癬菌(水虫)などに効く薬が代表例です。
≪抗ウイルス薬≫
ウイルスによる感染症に対抗するものが抗ウイルス薬です。最も代表的な例がインフルエンザウイルスに効くタミフルなどです。

処方された薬は飲みきろう

抗生物質は菌やウイスルを殺すことが目的なので、決められた時間や回数を守ることが大切です。治った感じがしても、体内には菌が潜伏している場合もあります。処方された薬はきちんと飲みきるようにしましょう。食後服用となっていても、飲む回数と間隔を決めることが目的で、薬の刺激から胃を守るのが目的ではありません。食事が取れない場合でも、時間通りに飲んだ方がいい場合もあります。

風邪に抗生物質は必要?

風邪で抗生物質を処方されることも多いですが、通常の風邪には抗生物質は効かないのです。風邪はほとんどがウイルス感染ですが、抗生物質の抗ウイルス薬はインフルエンザなど、それぞれ決まったものにしか効かない薬で、一般的なウイルスに効くものではありません。ただし、細菌感染が疑われる風邪や、ノドや鼻の炎症が悪化して細菌感染している場合などは、服用が必要な場合もあります。

    

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