ヒトだけが特殊!? 〜咽喉の不思議〜
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耳鼻咽喉科などは街中の診療所などでよく見かけますが、この「咽喉」という言葉、読み方も含めて、良く分かっていない人が多いのではないでしょうか。「咽喉」は「いんこう」と読み、「咽頭(いんとう)」と「喉頭(こうとう)」を合わせた言葉です。
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「咽頭(いんとう)」と「喉頭(こうとう)」は、どちらもノドを意味しますが、位置がちょっと違います。咽頭(いんとう)は、鼻から食道と気道が分かれるあたりまでを指します。一方、喉頭(こうとう)は、それより下の声帯があるあたりを指します。これらをひっくるめて「咽喉(いんこう)」と言います。咽喉(いんこう)は、気道と食道をうまく切り替えるための重要な役割を担っていて、実はヒトならではの器官なのです。
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哺乳類は普通、呼吸は鼻でするもの、食べるのは口でするものと決まっています。ヒトも進化の手前では気道は鼻とつながり、口は食道へと繋がっていました。こういう構造の場合は、食べ物を飲み込みながら呼吸が出来るのです。しかし、ヒトが進化の過程で二本足で立つようになると、頭の下に咽喉が来るようになって咽頭が下がり、気道と食道が平面交差になってしまいました。このため、呼吸をする時と食べ物を飲む込む時は、切り替える役目の喉頭蓋というフタを使って切り替える必要が生じたのです。
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現代では本来鼻で呼吸すべきところを、口で呼吸する人が増えています。ある調査では日本人の半数以上が口呼吸をしており、その口呼吸が様々な病気の原因になっている可能性も指摘されています。
口で呼吸していると、吸引した空気がノドまで直接にいってしまい、ノド粘膜が様々な病原菌に無防備に晒されることになります。また、ノドには温度や湿度の調節機能がないので、乾いた空気がそのまま気管などに入ってしまうのです。
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