特効薬なし! 頼みは自分のダブル免疫力


原因ウイルスは特定困難

風邪症候群の原因は、そのほとんどがウイルスです。200種類以上のウイルスが確認されているため、「その時かかっている風邪のウイルス」を特定するのは困難なのです。検査で特定が可能なものもありますが、検査をしている間に治ってしまうことがほとんどなため、ウイルスの特定はしないことが一般的なのです。

風邪の原因ウイルスは退治できず

数少ない特殊なウイルスを除いては、ウイルス自体を退治する方法や薬はないのが実情です。抗生物質が処方される場合もありますが、風邪の原因となっているウイルスに効くわけではありません。抗生物質は、風邪による炎症で傷ついたところに雑菌などが入り、炎症の悪化を防ぐために処方されることが多いようです。

飛沫感染が経路

風邪をひいている人が一度くしゃみすると、周囲に10万個もの飛沫が飛び散り、空気中に30分も漂うこともあります。この飛沫に風邪ウイルスが含まれ、別の人の体内に侵入することで、新たな風邪の患者を誕生させてしまうのです。そして、このウイルスによって風邪をひくかどうかは、各人の「免疫力」にかかっています。

「守りの免疫力」「攻めの免疫力」

この風邪のウイルスを体内に入れないように頑張っているのが「守りの免疫力」です。ノドや鼻などの粘膜が第一関門となり、ウイルスをブロックしていますが、粘膜が弱るとブロック機能が弱まり、風邪ウイルスを体内に侵入させてしまいます。鼻水やノドの痛みといった風邪の代表的な症状は、粘膜がウイルスと闘っている証拠なのです。
もう一方の「攻めの免疫力」によって、体内に入ってきたウイルスを攻撃します。免疫細胞は、その人の体温が上がった方が活発に動きやすくなります。さらに、ウイルスや細菌は38度より高くなると死滅します。風邪をひいて発熱することには、意味があるのです。

    

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