「風邪症候群」〜名前も色々・合併症も色々〜
何度もかかっているのに、よく分かっていないのが「風邪」。それもそのはず、風邪のウイルスは一生かかっても全種類の風邪に感染出来ないと言われるほどたくさんあるのです。「風邪」は正確には、「風邪症候群」と言われ、原因の種類に関係なく呼吸器系の急性炎症の総称として使われる言葉なのです。
風邪だと思って病院で診てもらうと、「喉頭炎」とか「気管支炎」などと言われたりするでしょう。「風邪症候群」は症状によって、色々の名称がつけられるのです。主なものは次のようなものです。 ◇普通感冒 いわゆる鼻風邪。鼻水や鼻詰まりが主な症状 ◇咽頭炎 ノドの痛みが強く、頭痛や発熱も見られる ◇咽頭結膜炎 プール熱とも呼ばれ、発熱・咽頭炎・結膜炎を伴う ◇クループ症候群 咽頭が炎症を起こして腫れ、独特の咳をする ◇気管支炎 炎症が気管支に及んだ状態。咳も出て、痰がからむ
風邪はひどくなると命にかかわる合併症を引き起こします。たかが風邪と侮ってはいけません。症状が気にかかる場合は、きちんと受診しましょう。 ≪肺炎≫ 風邪が治りきらないうちにもう1回風邪をひいたり、風邪をひいているのに必要な休養や栄養を取らないと起こることがある。高齢者は特にかかりやすい。 ≪中耳炎≫ 鼓膜の奥の中耳に細菌が感染し炎症をおこしたもの。ウイルスがとりつく鼻やノドと耳管で結ばれているため、耳は感染しやすい。 ≪急性扁桃炎≫ 急激な高熱や咽頭痛を生じるため、食事が困難になる場合もある。慢性化すると、心筋炎や腎炎など、重い病気の原因にもなる。 ≪脳症≫ ウイルスが脳に至り、各種の障害や後遺症を起こす。乳幼児に起こりやすい。
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