「もしかしたら〜」と思ったら…すぐ病院へ


以前の基準の問題点

ここ数年で関節リウマチの診断が、より早期にされるようになっています。日本でも広く用いられていた以前の米国リウマチ学会の基準は、関節リウマチになって8年以上経過した患者のデータを元に作られたものでした。そのため、この基準が当てはまった時には、かなりリウマチの症状が進行してしまっていたことも多かったのです。

新しい基準の改定ポイント

そこで、2009年にアメリカとヨーロッパの学会が共同で、新しいリウマチ診断基準を発表しました。この改定で大きく変わった点は、レントゲンなどの画像所見が消えたことと、対称性の関節炎が消えたことです。つまり、レントゲンで分かるほど骨の破壊が起きるまで待ってはいけない、関節炎が1か所であっても診断が可能という、早めに「関節リウマチ」との診断が出来るように改定されたのです。

こんな症状があったら、受診しよう

「もしかしたら関節リウマチかも?」と思っても、すぐに受診するべきかどうかの判断は難しいものです。具体的には、朝に手がこわばってコーヒーカップの持ち手が握りづらいなど、朝のこわばり状態が30分以上続くという状態。または、手の指がむくんでいるのではなく、明らかに腫れているといった状態であれば、念のために一度受診した方が良いでしょう。

医師に伝えるポイント

リウマチが疑われる場合には、リウマチ専門医に診てもらうのが一番ですが、専門医の数はまだまだ少ないのが現状です。専門医でない場合には、自身がきちんと症状のポイントを伝えることが大切です。ポイントは『朝のこわばりの有無と持続時間』、『関節の腫れについて』、『関節の痛みについて』の3点です。こうしたポイントをしっかり伝えれば、関節リウマチが疑われる場合には、必要な検査を行なって専門医を紹介してくれるでしょう。

    

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