腎臓の状態をチェック〜GFRとは?〜


慢性腎臓病とは

「慢性腎臓病」とは、腎臓の機能が健康な人の60%以下に低下するか、あるいはタンパク尿が出るといった腎臓の異常が続く状態を言います。腎臓の機能を表すには、「糸球体濾過量(GFR)」という指標が使われ、これは1分間または24時間の間に糸球体を濾過されてできる原尿の総量です。

腎臓の機能を表すGFR値

定期的に腎臓の状態を把握するには、GFR値をきちんと知っておくことが大切です。GFR値を厳密に測定するために、以前は精密な検査が必要でした。しかし最近では、血清クレアチニン値から推定のGFR値を計算することが出来るようになりました。例えば、日本慢性腎臓病対策協議会のサイトに自動換算機能が設けられていて、血清クレアチニン値、年齢、性別を入力すると、推定GFR値を自動計算してくれます。
※血清クレアチニン
血液中の老廃物の1つであり、通常であれば濾過され、ほとんどが尿中に排出される。しかし、腎機能が低下していると、尿中に排出されずに血液中に蓄積される。この血液中のクレアチニンを血清クレアチニンといい、健康診断の血液検査の項目になっている。

早期発見が大切

慢性腎臓病は、腎臓の機能がかなり低下するまで、ほとんど自覚症状が現れないというやっかいな特徴があります。そのため、むくみなどの自覚症状が現れた時には、透析を避けられない状態にまで腎臓の機能が悪化しているケースが少なくありません。こうした事態を防ぐためには、定期的に検査を受け、早期発見に努めることが重要です。
年をとると腎臓の働きは低下していくので、高齢者になるほど慢性腎臓病が多くなります。高血圧、糖尿病、コレステロールや中性脂肪が高い、肥満やメタボリックシンドロームなどは腎臓病の高リスク要因です。こうした点に当てはまる人は、より注意が必要です。

    

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