肥満より問題なのは…実は痩せ


痩せが増えている女性

女性は20年前や10年前に比べて、肥満(BMIが25以上)の人は減っています。それはイイ!と喜んでいる場合ではありません。前のコラムで述べたとおり、“ちょい太”くらいの方が死亡率は低いのです。問題はBMIが18.5以下の「やせ」の人が増えていることなのです。

痩せていると死亡率が高くなる

特に若い女性の痩せ率が高く、20代では21%、30代では15%にのぼります。なぜ「やせ」がいけないかというと、まず、痩せすぎは死亡リスクが高くなることが挙げられます。BMIと死亡率に関する調査において、死亡率が一番低かったBMI23〜25の人たちに比べて、BMIが14〜19の人の死亡率は2倍にもなるのです。痩せすぎていると、感染症やガンで命を落としやすい傾向があるようです。

骨密度低下により骨折しやすくなることも

痩せすぎによって招く危険には、骨密度の低下があります。骨密度が低下することにより、骨折しやすくなるといえるのです。体重と大腿骨骨折の関係を調べたデータでは、体重が「とても軽い」グループは、「とても重い」グループに比べて、骨折した人が2倍も多かったのです。

最も危険なのは摂食障害

さらに最近問題になっているのが摂食障害です。摂食障害が深刻化すると、場合によっては命を落とすこともあるのです。以前は思春期に多いといわれていましたが、最近は思春期の女性だけでなく、中高年女性にまで広がっています。安易なダイエットが、摂食障害の発端になっていることが多いのです。主婦が台所で一日中食べ続けて病気が進行することから「キッチンイーター」と呼ばれますが、本人も周囲も病気だと気がつかないケースが多く、患者数すらつかめていないのが実状です。

    

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