専門医での早めの治療が大切
|
パニック障害であることが疑わしい場合は、心療内科を受診します。パニック障害は歴史が浅いため、辛い症状があるにもかかわらず異常なしと診断され、病気をこじらせることもあります。自律神経失調症や更年期障害と誤って診断され、長期化する恐れもあります。早めに専門医に、正しい診断をしてもらうことが大切です。
|
ただし、まずは心電図やレントゲンなどの検査を行い、心臓疾患や肺の病気など、内科的病気でないかのチェックをします。かかりつけの内科があれば、そこで検査をしてもらい、心療内科を紹介してもらうことも可能でしょう。
|
|
|
治療当初は、パニック発作を抑える薬を処方されます。SSRIと呼ばれる脳内物質セロトニンに働きかける薬が効果的で、パニック発作自体は、薬で比較的簡単に治まります。ただし、「予期不安」や「広場恐怖」などが起こります。
【予期不安】
パニック発作を一度経験してしまうと、恐ろしい発作がまた起きるのではないかという不安が生じること。
【広場恐怖】
広場を怖がるという意味ではなく、パニック発作を経験した人が「特定の場所や状況を避ける」ことです。発作が起きた時にすぐ逃げ出せない、例えば、電車・人ごみ・高速道路などです。また、過去にパニック発作が起きた場所も該当します。
|
治療の最終目標は、「薬を飲まずにパニック発作を起こさない」ことです。ですから、現在のストレス状況や不安との付き合い方を見直すことが、まず大切です。それらを認識したうえで、少しずつ薬を減らしながら、様々な精神療法を行ないます。代表的なものが「認知療法」と呼ばれるもので、パニック障害のメカニズムなどを十分に理解して、発作への感情的コントロールが出来るようにしていきます。
|
マガジン表紙へ
|