救急搬送にトリアージを導入


救命の順序を判断するトリアージ

救急車の出動件数の増加がとまらないため、救急搬送にトリアージを取り入れることが検討されています。トリアージとは、一般的には、災害時など多数の傷病者が発生したときに、救命の順序を決めて、効率的に医療機関に搬送する行為をいいます。救急車搬送にトリアージを取り入れた場合、119番受信時に患者の状況を聞き取る「コールトリアージ」と、現場で救急隊が状態を見て判別する「フィールドトリアージ」があります。

東京では…救急現場でトリアージを導入済み

「フィールドトリアージ」に関しては、東京消防庁が平成19年から導入済みです。119番通報を受けて出動した救急現場において、明らかに緊急性が認められない場合には、自身での医療機関受診(自力受診)を要請しています。そうすることにより、救急隊は次の緊急出動にすぐに備えられ、救急車が本当に必要な緊急性の高い傷病者がいた場合に、すぐに現場に急行できるのです。

119受信時のトリアージ その問題点は?

119番受信時の「コールトリアージ」は、平成20年から神奈川県横浜市で導入されています。全国的の導入に向けては、現在のところ議論されている最中です。実際よりも優先度や緊急度を低めに判定してしまう「アンダートリアージ」が一番の問題で、その危険を減らすためにどうすべきか、又それが発生した場合の責任の所在や、法的問題の整理などが検討されています。


★ちょっと豆知識〜トリアージの語源〜★

フランス語のtrierが語源といわれ、良いものを選別するという意味の軍隊用語として知られています。繊維商人が羊毛の品質を選別するのに用いた言葉だったという説、17世紀のコーヒー豆の選別が起源である説など、諸説があります。医学の世界に最初に応用されたのはナポレオンの時代で、今日のようなトリアージ概念が本格的に確立されたのは、第一次世界大戦後です。

    

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