冬に増える〜ウイルス性食中毒〜


冬にも発生する食中毒

食中毒というと、梅雨から夏にかけて、と思いがちですが、最近は冬にも発生することが多くなっています。ひとつには、ウイルス性の食中毒が増加したことが原因です。さらに、暖房の普及により、冬季にも細菌性食中毒の発生が見られるからです。

ノロウイルスが急増

ウイルス性の食中毒では、2006年からノロウイルスによる食中毒が急増しています。このウイルスは、1968年にアメリカで初めて見つかり、1970年代に入り、電子顕微鏡の発達により形態が明らかになり、その形から小型球形ウイルスと呼ばれていました。2002年に「ノロウイルス」と命名され、現在に至っています。

ノロウイルスに感染すると・・・

潜伏期間は1〜2日間で、主な症状は、吐き気・嘔吐・下痢で、その他に、腹痛・頭痛・発熱・倦怠感などもあります。一般的には2〜3日で回復し、経過は比較的良いのですが、抵抗力の衰えた高齢者では重篤化することもあります。

このウイルスに効果のある抗ウイルス剤はありません。症状がでていることに対して、痛み止めや下痢止めといった対処治療をするしかありません。
注意したいのが2次感染です。症状回復後でも1〜2週間、長い場合は1か月にわたり、糞便中にウイルスを排出し続けるので、同居している人は注意しましょう。

ノロウイルスの予防対策は?

ノロウイルスの対策として、まず大切なことは、ウイルスを口にいれないこと。そのためには、次の3つをきちんと覚えておきましょう。
手洗いやうがいを頻繁に行うこと
◇調理する時は、加熱を十分(85度で1分間以上)すること
調理場や調理器具のウイルス除去をしっかり行うこと
  ※ノロウイルスは次亜塩素酸ナトリウムで消毒する(アルコールに抵抗性あり)

    

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