特に問題! トランス脂肪酸


問題の多い「トランス脂肪」

脂肪酸の中で、最近特に問題になっているのが、トランス脂肪です。トランス脂肪酸は正式には、トランス型不飽和脂肪酸と呼ばれています。一般的に言って不飽和脂肪酸は、飽和脂肪酸より良いとされていますが、トランス脂肪は飽和脂肪酸以上に、健康に対して悪影響があると言われています。

飽和脂肪酸をつくる過程で・・・

常温で液体の植物油などの不飽和脂肪酸に、水素を添加することによって、商品価値の高い飽和脂肪酸を製造することができます。この飽和脂肪酸をつくる過程で、飽和脂肪酸にならなかった一部の不飽和脂肪酸が、トランス型不飽和脂肪酸となってしまうのです。

スナック菓子やマーガリンには要注意

トランス脂肪は、液体状の油を固めて加工しやすくしたり、臭いを消すために使われるので、ポテトチップなどのスナック菓子の多くにも含まれています。他には、マーガリンにも多く含まれています。日本人の摂取量は、米国などに比べて少ないと言われていますが、外食やファストフードをよく食べる人などは、かなり摂取量が多くなってしまいます。

心臓病のリスクを高める

トランス脂肪には、悪玉(LDL)コレステロールを増やして、善玉(HDL)コレステロールを下げる作用があります。血管の機能を低下させ、血栓をできやすくし、動脈硬化を起こしやすくして、心臓病のリスクを高めると言われています。元々ヨーロッパでは規制が厳しかったのですが、最近アメリカでも厳しい規制が進んでいます。それに比べ、日本での規制や対策はかなり遅れています。

    

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