違いを生む〜男性ホルモン女性ホルモン


ホルモンが違いを生む

同じ病気でも、男性と女性では発症や進行に差がでたり、同じ治療を受けても異なった結果が生じてきたり、といった男女での違いを考慮することが「性差医療」の基本です。そうした違いを生み出す重要なカギを握っているのは、ホルモンの動きです。男性と女性それぞれが持つ、男性ホルモンと女性ホルモンの違いなのです。

女性ホルモンとは

女性ホルモンとは、女性の体つきや体のリズムをつかさどるホルモンのこと。エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類があります。10歳頃から分泌量が増えはじめ、女性らしい体つきを形成し、月経・妊娠・出産などに大きく関わります。

男性ホルモンとは

男性ホルモンの中で大きな役割を担っているのがテストステロンです。テストステロンは10代後半から急激に増加し、それにより、ヒゲなどの体毛増加や声変わりといった思春期の身体的変化が起こるのです。テストステロンは、他にもタンパク質の合成を促して筋肉や骨を発達させたり、血液中のコレステロールや中性脂肪を増加させたりといった作用もあります。

女性ホルモンはある時期から急激に減少

男性ホルモンに比べ、女性ホルモンは、ある時期になると急激に減少します。女性の体内で分泌される一生分の女性ホルモンの量は、わずかスプーン1杯程度ですが、それらは大きな影響を与えるのです。多くの場合、45歳以降になるとホルモン分泌量が徐々に減り始め、やがて閉経にいたります。ホルモンバランスが大きく変化することによって心身にさまざまな症状が起きるのが、いわゆる「更年期障害」です。

    

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