心の病〜コレステロール不足は危険


コレステロール:低いと心疾患の原因に

コレステロールと聞くと、多くの人が高すぎないかどうかが問題と思っているのではないでしょうか?低ければ低いほどよいと思ってしまいがちですが、そんなことはありません。実はコレステロールが低いことが、心疾患の一因になってしまうこともあるのです。

重要なホルモンはコレステロールから作られる

コレステロールは私たちにとって、とても大切な物質といえます。人間の身体が機能するためには、多くの酵素やホルモンが必要なのです。酵素やホルモンの多くはタンパク質を原材料として身体の中でつくられますが、ホルモンの中でも重要な性ホルモンはコレステロールが原材料になっています。また、病気に対する抵抗力を左右する副腎皮質ホルモンも、コレステロールから合成されているのです。

コレステロール低下と精神状態との因果関係

実際に、コレステロール低下と不安定な精神状態との因果関係については、様々な研究結果が出されています。血中コレステロール値が低いと抑うつ状態の出現頻度が高くなるという結果があります。学校でトラブルを起こし退学する生徒には、低コレステロールの子供が多いことが、アメリカの統計で指摘されています。また、コレステロール値が低い群に自殺・他殺・事故死が多いといった調査結果もあるようです。

安易に薬で下げるのは危険

成人では通常の生活をしていると、コレステロールは多めになってしまうものでしょう。しかし注意したいケースが、コレステロールを下げる薬を服用している場合です。食生活や生活習慣を変える不便さから、つい薬に頼ってしまいがちですが、正常値に戻ってからも、服用を止めればまた上昇してしまうという安易な気持ちで薬の服用を続けるのは、決して良いこととは言えません。生活習慣病は、生活習慣を変えることで改善していくことが重要なのです。

  


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