ジェネリック普及へ 政府強攻策


ジェネリックが標準薬に

厚生労働省は、医師が患者に薬を処方する際に、これまでは新薬の使用が標準だったものを、ジェネリック医薬品を標準にする方針を固めました。08年度からの実施を目指し、現在約17%に過ぎない価格の安いジェネリック医薬品のシェアを、12年度までに30%以上に引き上げることが目標です。

06年度の制度変更では効果なし

06年度の診療報酬改定で、処方箋に新たに「後発品へ変更可」というチェック欄を設け、医師が先発品名で処方しても「変更可」にチェックすれば、患者は薬局で後発品を選べるようになりました。しかし、運用が始まって半年が過ぎて実態を調査したところ、実際に後発薬の処方に切り替わったケースは全体の1%に過ぎず、この方法では効果が期待できないことが分かりました。

新薬を選ぶと患者の負担増

新制度でジェネリック医薬品を標準とすると、あえて同じ効用の新薬を選んだ場合は、患者の自己負担が増えるような仕組みになります。今までは、新薬でもジェネリック薬でも、同じように自己負担3割で保険給付が7割でした。しかし新制度では、割高な新薬を選んだ場合には、ジェネリック薬の7割分までしか保険給付せず、残りは全て自己負担となるのです。

具体例で考えてみると・・・

例えば、1000円のジェネリック薬と同じ効用の2000円の新薬がある場合を考えてみましょう。今までは、ジェネリック薬では自己負担300円保険給付700円、新薬では自己負担600円保険給付1400円でした。これが新制度になると、ジェネリック薬は自己負担300円保険給付700円と変わりません。しかし、新薬の保険給付はジェネリック薬と同じ700円となり、新薬では自己負担1300円保険給付700円と自己負担が大幅に多くなります。新薬においては、3割負担という原則は無くなるのです。

  


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