心の病〜トランス脂肪は脳に大敵


脳の働きは脂肪がカギ

脳の60%は脂肪で構成されています。そのため、気分や行動をコントロールする脳の働き具合は、摂取する脂肪の種類と量に大きく左右されます。脳内における脂肪の大切な働きは、神経細胞の膜を作ることにあります。この膜の状態によっては、うつ病を引き起こしやすい状態になってしまうのです。

うつ病に効果的なのは魚の油

うつ病対策に効果的な油は、DHAやEPAを含む魚の油です。脳の神経細胞の受容体は、脳に必要なビタミンB群などをうまく捕らえるために、受容体の表面膜を軟らかくしておく必要があります。魚油はとても軟らかいので、脳の神経細胞は、必要物質をうまく捕らえることが出来るのです。ブタや牛の脂は硬すぎてダメなのです。

最悪なのはトランス型脂肪

さらに悪いのが、マーガリンなどに代表されるトランス型脂肪。トランス型は酵素がうまく働かないため、脂肪酸の持っている大切な役割、神経細胞の膜になることが出来ません。不飽和脂肪酸に水素を添加すると固まりやすくなりますが、水素を添加した時に「トランス型脂肪」が出来てしまいます。水素を添加すると固形化しやすく、商品を長持ちさせることが出来るため、ケーキやドーナツなどの嗜好品、ファーストフードの揚げ物などに多用されています。

心臓にも悪いトランス型脂肪

トランス型脂肪は、脳にだけ悪いわけではありません。血液中の悪玉コレステロール濃度を上昇させ、善玉コレステロールを低下させ、動脈硬化による心筋梗塞の原因になるとされています。元々ヨーロッパでは規制が厳しかったのですが、最近はアメリカでも厳しい規制が進んでいます。2006年にはニューヨーク市の全てのレストランで、トランス脂肪を含む食品が全面禁止となりました。それに比べ、日本の対策はかなり遅れていると言わざるを得ません。

  


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