名は違えども・・・世界中に健康食


イタリア発「スローフード」

「マクロビオティック」より前に日本で話題になったのが「スローフード」。1980年代にイタリアで始まったもので、画一化され大量生産されるファストフードに危機感を抱いた人たちが、その地方や地域に息づく多様な食を認めあって楽しむ「スローフード」を提唱し始めました。

中国発「薬膳」

健康食といえば中国料理。医食同源の考え方から生まれた「薬膳」は、滋養強壮や病気の治療効果を高めるため、身体に合った食事で病気を防いだり治したりすることをいいます。根本に、万物は「木・火・土・金・水」の5種類の元素から成るという「五行思想」があり、食材を「熱・温・平・凉・寒」「酸・苦・甘・辛・鹹(カン/塩辛い)」に分け、適した季節(春・夏・土用・秋・冬)や養生させたい臓器(肝・心・脾・肺・腎)に合う食材を摂るという考え方です。

日本にも「精進料理」

元々は12世紀頃に禅宗とともに中国から伝わり、長いあいだ修行僧の食事とされてきました。この精進料理が最近では健康食として注目されています。「精進料理」の極意は、旬の野菜をバランスよく多くの種類を使うこと。専門家による科学的な研究でも、栄養バランスに優れ、動脈硬化などの生活習慣病を予防するパワーを秘めていることが分かってきました。

日本食が世界でブーム

こうして世界中に様々な健康食がありますが、つまるところ根っこは同じ、「健康は食から」という考え方なのです。こうした健康志向の高まりとして、世界中から注目されているのが実は日本食。すでに定番となっている寿司だけでなく、大豆食品として豆腐、さらに最近では緑茶などの輸出量も増えているようです。健康食と言われる日本食、日本人である私たちも積極的に摂りましょう。

  


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