「健康食」も一歩間違うと“不健康食”に


低栄養に注意

健康食としてイメージされやすい和食ですが、「ただ和食を摂ればいい」というわけではありません。最近の調査で、和食中心にバランスよい食生活をおくっていると思われていた高齢者が、実は摂取する食材の偏りなどで、低栄養状態になる危険性が高まっていることが分かったのです。

特にタンパク質不足になりがち

こうした危険は高齢者だけとは限りません。健康食を積極的に取り入れている人も陥りやすい危険と言えます。一番気をつけなければいけないことが、摂取する食品や献立が単一的になりがちなこと。特に注意したいのはタンパク質の不足です。私たちの身体は、細胞も筋肉も内臓も全てタンパク質から出来ていますから、タンパク質はとても大切な成分なのです。

精進料理はバラエティーに富んでいる

精進料理は、質素な一汁一菜というイメージがありますが、客をもてなす際は二汁五菜の組み合わせが基本で「五味五色五法」が原則です。「五味」とは「甘い・辛い・苦い・酸っぱい・塩辛い」の味付けのこと。「五色」とは「赤・白・黄・緑・黒」の食材の色を表します。「五法」は「生のまま・焼く・煮る・揚げる・蒸す」の調理法です。この原則を守ると、食品の種類や食べ方が自然と増え、バラエティーに富んだ食事になるのです。

適量の肉と魚を取り入れよう

それでも、専門家による研究で「栄養バランスに優れている」とされた精進料理であっても、決して完全食とは言えず、育ち盛りの子供にとっては動物性タンパク質が足りていないと指摘されています。マクロビオティックや精進料理を参考にするにしても、あまり菜食にこだわらず、適量の肉や魚を食べることも大切なのです。

  


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