覚えておこう 「ヒトパピローマ」ウイルス


ヒトパピローマウイルス(HPV)とは

性感染症(STD)に関係ある言葉として、特に女性に覚えて欲しいのが、ヒトパピローマというウイルスの名前です。ヒトパピローマウイルス(HPV)は、尖圭(せんけい)コンジローマという性感染症の原因となるウイルスですが、悪性ウイルスの場合は、ガンの原因になるとみられているのです。

ガンの原因となるウイルス

ヒトパピローマウイルス(HPV)は、性体験のある女性のほとんどが感染するありふれたウイルスで、100ほどの種類があると言われ、その中にはガンを引き起こしやすいタイプもあります。特に関連が指摘されているのが子宮頸ガンで、日本では最も多い婦人科系のガンなのです。子宮頸ガン以外にも、肛門、喉頭、食道、口腔のガンに関係していると言われています。

米国では女子児童に予防接種

最近日本では、若い年齢層での子宮頸ガン発症が増加して問題となっています。しかし、日本以上に深刻なのが米国です。ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染者は、全米で約2000万人、15〜24歳の女性の4分の1が感染しているとの調査もあるようです。こうしたことを受け、米国のテキサス州では11〜12歳の女子全員にHPVの予防接種を受けさせることを決定しました。ちなみに、このHPVワクチンは日本では未承認です。

郵便で検診は可能

ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染しても、そのうちの90%は自然に体内で消滅します。ただし、残り10%は感染したままで、これを長期間放置すると、細胞がガン化して、子宮頸ガンなどを引き起こすことがあるのです。HPV感染だけでなく、様々な性感染症(STD)はハッキリとした自覚症状がないことが多いので、定期的に検診を受けることも大切です。最近はインターネットなどで検査キットを購入し、郵送で調べてもらう方法もあります。

  


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