こんなに?!…医療費過払いの通知漏れ


医療費過払い通知漏れ 1万件

病院で支払った医療費(患者の窓口負担)は、審査機関による査定で医療費が減額されると、払い過ぎた分の返還を病院に請求できます。病院側から連絡をくれることは少なく、公的機関からの連絡が頼りとなります。しかし最近、社会保険庁がこの通知をしていないケースが1万件もあると発表されました。

虚偽報告する悪質な県も・・・

もともと社会保険庁が運営する政管健保では、患者が窓口負担で支払った自己負担が1万円以上減額された場合に内容を通知することにしています。それなのに1万件以上の通知漏れがあったのです。最少に見積もっても通知漏れ金額は1億円以上になります。しかも悪質なケースも多く発覚しました。実際に通知業務を行なっている都道府県の社会保険事務所では、通知した事実がないのに、本庁への報告は「通知した」と虚偽報告している県事務所もあったのです。

国保も約4割が通知せず

国民健康保険でも通知漏れは多くなっています。1万円以上減額された場合、医療費の過払いを患者に知らせるように厚生労働省は通達を出しています。しかし、通知を出していない市町村が全体の40%もあることが厚生労働省の調査で分かりました。その結果が出ても反省しない県もあり、例えば栃木県は「通知を出すかどうかは各市町村の判断で、積極的に通知を求める考えはない」といったコメントを出しています。

実際の請求は患者任せ

公的機関は通知するだけで、医療機関の返還請求は患者自身が行なわなくてはなりません。しかも医療機関側は「人件費などの費用が実際に発生している」などとして、審査機関の審査を不服と考えるケースが多く、患者と紛争になるケースも少なくないのです。

  


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