若い人にも起こる「認知症」の恐怖


若年での発症は、より深刻

認知症は高齢者だけでなく、40〜50代の働き盛りの人がなることもあります。患者数は10万人程度と言われますが、正確な実態は分かっていないのです。若くしてなると、体のエネルギーはあるため徘徊や暴力なども激しく介護が大変で、介護期間も長期となり、家族の精神的・経済的負担も非常に大きく、深刻な問題となっています。

早期診断・早期治療が大切

「若年性認知症」の根本的な治療法は無いのですが、早期に診断され早期に治療できれば、記憶障害や認知機能障害などの進行を遅らせることは可能ですし、イライラや落ち込みといった症状は治療できます。例えば、「アルツハイマー病」では、早期発見してリハビリに努めれば回復の可能性もあるのです。

脳血管障害から起きる認知症

脳梗塞による血管の詰まりや血流量の減少などで、脳細胞の働きが低下するために起こる「認知症」があります。こうした脳血管障害から起こる「認知症」は、外科手術と薬物療法や運動療法によって症状をほとんど改善出来ます。

20歳でも起こる「行動異常の認知症」

代表的な認知症「アルツハイマー病」などに起こる「もの忘れ」が起こらない認知症があります。「ピック病」と呼ばれるこの病気は、患者数のピークが40〜50代で、早い人では20歳でも起こります。些細なことで怒りっぽくなったり、徘徊したりといった人格変化や行動障害が初期症状で、統合失調症などの精神病と間違われることも多く、有効な治療手段も今のところないのです。

   

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